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データサイエンスの核心を掴む : 学びと発見の記録

「世界一流エンジニアの思考法」の感想

「世界一流エンジニアの思考法」の感想

限られた時間で多くの成果を生み出し,日々生み出される新しい技術を学び仕事で活用しながら,健康な生活を送るということは,私の理想の働き方である。
本書は,米マイクロソフトで働く筆者が,エンジニアとして高い生産性を実現するためのノウハウをを丁寧に説明している。私自身の働き方にとっても参考になることが多かったので紹介したい。

www.kinokuniya.co.jp

本書を読もうとした理由

私は製造業におけるAI活用やデータ分析を担当する部署のリーダーをしている。一昨年までは自分の担当する組織の人数がそこまで多くなかったのである程度余裕があったが,昨年の4月に組織が大きくなり,自分自身が忙しくなるとともに,チームメンバー1人1人に対するサポートができにくくなっていると感じていた。
そのため,少ない時間で成果を出すとともに,メンバーにとっても成果を出しつつ成長を感じてもらうような取組みをしていこうと考えた。

本書の構成は,上記のような私の課題にマッチするものであったので,自分の行動を改善していくために読むこととした。

本書の構成

本書の構成は以下の通りである。

第1章 世界一流エンジニアは何が違うのだろう?―生産性の高さの秘密
第2章 アメリカで見つけたマインドセット―日本にいるときには気づかなかったこと
第3章 脳に余裕を生む情報整理・記憶術―ガチで才能のある同僚たちの極意
第4章 コミュニケーションの極意―伝え方・聞き方・ディスカッション
第5章 生産性を高めるチームビルディング―「サーバントリーダーシップ」「自己組織型チーム」へ
第6章 仕事と人生の質を高める生活習慣術―「タイムボックス」制から身体づくりまで
第7章 AI時代をどう生き残るか?―変化に即応する力と脱「批判文化」のすすめ

参考になった点

サーバントリーダーシップと自己組織チーム

本書を読もうとした理由は,個人とチームメンバーの生産性を高めて成長の実感を持ってもらうことであった。ただ現状の業務が組織のリーダーであるため,チームのマネジメントに関する内容は重要だと感じたし,興味深いものであった。


本書の第5章では,新しいマネジメントスタイルとして,サーバントリーダーシップが紹介されていた。
サーバントリーダーシップの特徴は,リーダーはビジョンとKPIは示すが,実際にどのように動くかは,チームが主体的に考えて意思決定をしていくというものである。
この対比的なマネジメントスタイルとして「コマンドアンドコントロール」が挙げられるが,両者の違いを整理してみた。

コマンドアンドコントロール サーバントリーダーシップ
仕事における動き方 リーダーが部下に指示を出す ビジョン・KPIは示すが具体的な動き方はメンバーが考える
メンバーの扱い方 社員として扱う ステークホルダーとして扱う


リーダーシップは,マネージャーとメンバーの関係性であるが,組織の在り方として自己組織チームも紹介されていた。自己組織チームは,従来のように上司が部下に指示を与えるのではなく,チームが自ら考えて意思決定を行なうことが特徴である。

このような組織においてマネージャーの重要な仕事は,メンバーの業務上の障害を取り除いていく(アンブロックする)ことである。

生産性を高めるためのコツ

本書を読もうとしたもうひとつの理由は,個人の生産性を高めることである。本書は,個人の生産性を高めるためのコツに関する内容の方が,チームやリーダーシップの内容よりも充実している。
特に印象的だったことは,

  • トラブルが起きた時は試行錯誤しようとせず,まずしっかり原因を考える
  • 基本的なマインドセットはBe Lazy, より少ない時間で価値を最大化することである

といった内容だった。

本書に対する感想とまとめ

(あらためて)ビジョンとKPIは重要

本書では,チームの生産性向上に向けてマネージャーが行なうべきことは,メンバーの業務上の障害を取り除くことである,とのことだった。
メンバーが自ら仕事を推進していくというマインドを持っているという前提に立ったとき,業務上の障害として考えられることは,

  1. プロジェクトの範囲内の障害 : 検討不足によるリソース不足・スケジュール遅延
  2. プロジェクトの範囲外の障害 : 突発的なタスクの発生(急に降ってくる仕事など)

が考えられる(もちろん,細かく見ていけばもっと挙げられるが)。

プロジェクトの範囲内の障害を避けるためには,定期的に進捗や課題を確認して,やるべきこと・やらなくてもいいことを整理したり,スケジュールやリソースを調整したりするといったプロジェクトマネジメントの役割が大きくなると考えられる。

プロジェクトの範囲外の障害として,私の経験では,急に降ってくる間接業務などによりプロジェクトメンバーのリソースが圧迫されることなどが挙げられる。もちろん,「それは私の仕事ではない」ときっぱり断ってくる人もいるが,断れない人も中にはいるので,その人に仕事が集中してしまうことがある。
そうならないためにも,マネージャーが「対応するべき急な仕事/対応しなくてもよい急な仕事」の整理をしたり,この判断基準を決めてチーム内外に周知していくことが大事だと考える。これは,本書でいうところの「ビジョンとKPIを定める」ということに通じると思う。

エンゲージメントを高める

先ほどは前提として,メンバーが自ら仕事を推進していくというマインドを持っている,としていたが,そのためには仕事に対してポジティブな心理状態を持つこと,すなわちエンゲージメントが高い状態にすることが大事にある。
エンゲージメントが高くなるには,仕事のスキルが高くなる,サービスの提供者から感謝される,安心して仕事ができる,など様々な要因が挙げられる。
ただ私も年を取ってきて,メンバーとは考え方に違いが出てきているだろうし,そもそも対話もせずに完璧に他人のことを理解することはとても難しいことなので,メンバーとの対話を通じてエンゲージメントを高くするための工夫が必要なのだと感じた。

やれることから目標を立てて取り組む

本書を一通り読んでみて,納得感の高い内容が多かった。ただ納得する・共感することと,実行できることの間にはギャップがある。まずは,チームの生産性を高めるための行動について,目標を立てて振り返りをしながら取り組んでいきたい。


本記事を最後まで読んでくださり,どうもありがとうございました。