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データサイエンスの核心を掴む : 学びと発見の記録

久保川達也教授の最終講義を聴講した

はじめに

統計検定1級の参考書として有名な「現代数理統計学の基礎」でおなじみの久保川達也 教授の最終講義があるということで,聴講してきた。

内容がとても高度で,私の理解が追い付いていないところもあり,不正確に書いてしまうおそれがあるので,研究発表の内容についてはメモにとどめておき,印象に残った内容を書いていく。

最終講義の概要

久保川先生の最終講義は,2024/12/21 13:30-17:30の日程で行われた。演題は「縮小推定とその周辺」という内容であった。
出所 : 令和6年度退職教員の最終講義(2024年12月開催分) | 東京大学

また最終講義に関連して,「久保川達也教授へのインタビュー」が2024/12/11に公開されていた。これまでの研究生活のお話などが書かれており,先生の活動を知るうえで貴重な情報である。
www.stat.e.u-tokyo.ac.jp


当日は4時間の講義のうち,はじめに先生の教え子の方など関係の深い先生方(いずれの方も,数理統計学分野の第一線で活躍されている先生方だった)が講演を行ない,最後に最終講義が行われた。

久保川先生の最終講義

久保川先生の最終講義は,前半は先生の研究生活に関するもので,後半は縮小推定に関する内容であった。

前半で印象的だったことは,博士課程に在籍しているときのお話だった。博士課程在学中に,当時注目を集めていたSteinの論文を読み,ご自身の研究に関する着想を得たとのことだった。
当時Steinの論文に関連して,様々な研究者が研究していたそうで,「自身の研究の周辺のホットなトピックを眺めると,いろいろなアイディアが詰まっている。」との趣旨の説明をされていた。

後半は,縮小推定に関するお話で,基本的な概念から応用に至るまで幅広いお話をされていた。特に印象的だったのは,2つの推定量のリスク関数の差を積分表現する「IERD法」のお話だった。
なお,日本統計学会の「第20回 日本統計学会賞」の受賞理由においても,IERD法について言及されていた。
参考 : 2015年度学会賞受賞者の紹介|日本統計学会

感想

先生の研究実績はもちろん素晴らしいと思うが,第一線で活躍されている教え子の先生方もたくさんいらっしゃり,教育者としても素晴らしかったのだと感じた。
先生方がご自身の研究テーマを説明される際に,大学院で学んだことや今の研究とのつながりをお話しされていて,久保川先生の研究が最近の数理統計学の基礎になっていると実感した。
また,先生方が話していた久保川先生のエピソードなども,学生さんを丁寧に指導している印象を受けた。

出版されている書籍についてもお話があり,最近の書籍は大学の教科書としても使われているとのことだった。私も含め,直接教わっていなくても「現代数理統計学の基礎」にお世話になったデータ分析の実務者もたくさんいるだろうし,世の中のデータ分析者にも多大な影響を及ぼしていると感じた。

今日聞いた話をきっかけに,この分野の内容もしっかり理解して実業務にも応用していきたい。

なお講演後に,先生の著書である「統計科学のフロンティア 3 モデル選択 予測・検定・推定の交差点」にサインをしていただいた。

「これからも勉強頑張ってください」と言われたので,ぜひ頑張りたいと思う。

(参考)諸先生方の研究発表

8人の先生方が,ご自身の研究発表をしていた。先述の通り私の理解が追い付いていないので,研究発表の中で触れられていた論文や,発表内で直接言及されていたわけではないが関係しそうな話題のリンクの紹介にとどめてく。

  • Minimaxity under the half-Cauchy prior

arxiv.org

  • 小地域推定

qiita.com

  • Hierarchical Regression Discontinuity Design: Pursuing Subgroup Treatment Effects (階層的RDD)

arxiv.org

  • Grouped Generalized Estimating Equations for Longitudinal Data Analysis

academic.oup.com

qiita.com