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JTCのデータサイエンス中間管理職の学び

確率分布まんだらを作る意義 #統計検定

確率分布まんだらとは

統計検定の勉強をする際に,「統計分布まんだらを作ること」が推奨されることが多い。

「統計分布まんだら」とは,統計分布間の関係性を示した図のことであり,英語では"Univariate Distribution Relationship Chart"というそうである。有名な確率分布まんだらはこちらで,一度でも見たことがある方は多いと思う。
https://www.math.wm.edu/~leemis/chart/UDR/UDR.html

「確率分布まんだら」とは,多種多様な確率分布を視覚的に整理した図表のことである。この図表では,中心に最も基本的な分布(例えば正規分布)を配置し,その周囲に関係性のある他の分布を配置していきます。これにより,確率分布同士のつながりやが一目でわかるようになる。

確率分布まんだらの難点

私は統計検定の勉強をした際に,確率分布まんだらの作成を試みたが,かなり苦労した。また,確率分布まんだらを作るだけでなく,他人が作ったものを理解するのにも苦労した。
理由は,確率分布まんだらが連関図のような形をしているからであろう。細かく順を追って関係性を見ていくならば分かりやすいかもしれないが,全体的な構造が掴みづらいのだ。
世の中にある情報整理の手法は,ロジックツリーやイシューツリーなど上流から下流に流れていくものや,マトリクスのようなものが多いので,情報として頭に入れるにはこのような構造が適しているのだと考えられる。

確率分布まんだらのメリット

統計検定1級受験のために,確率分布まんだらを作ることが推奨される理由は,確率分布の変数変換のパターンや,二項分布の正規近似など,確率分布の生成パターンを理解できるからだと考えられる。

確率変数の変数変換とは,ある確率変数 Xに対して、その関数 Y=g(X)を新たな確率変数として導入する操作のことを指す。この技術は,統計検定1級において頻出分野であるだけでなく,新たな確率分布の導出や計算の効率化において重要な役割を果たす。

まとめ

確率分布まんだらは,確率分布の変換パターンが網羅されているので,確率分布まんだらを作る際には単に書き写すのではなく,確率分布の変換の仕方を理解することを念頭において作成するべきである。