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JTCのデータサイエンス中間管理職の学び

「データ解析のための数理統計入門 」がためになる #統計検定

はじめに

統計検定1級や準1級の受験準備をするにあたり,過去記事「中間管理職の統計検定1級 合格体験記 #データサイエンス」にも記載した通り,戦術としてアウトプットを重視した。

アウトプットをしていくためには問題演習が重要になってくる。私は「現代数理統計学の基礎」の演習問題212問を約3か月かけて2周したが,受験直前になって本書に出会い,実践的だと感じたので紹介したい。

「データ解析のための数理統計入門」の概要

「データ解析のための数理統計入門」は,「現代数理統計学の基礎」の著者である久保川達也先生の書籍であり,レベルとしては統計検定準1級とされている。

www.kyoritsu-pub.co.jp

 

「データ解析のための数理統計入門」のいいところ

本書の発売日は2023年10月で,2023年の統計検定1級試験の1か月前に発売されたものであるが,良かった点は以下の通りである。

統計の基礎が学べる

本書の前半では,確率変数と確率分布,2変数の同時確率分布,パラメータの推定,仮説検定と信頼区間など,基礎的な話題が学べる。

この部分の内容は,「現代数理統計学の基礎」と似ている部分もあるが,統計検定準1級の頻出分野である多変量正規分布などについては,本書の方がより詳しい。

準1級に出てくる応用的な話題も学べる

本書の後半では,カイ2乗適合度検定,回帰分析,ロジスティック回帰とポアソン回帰ベイズ統計とMCMCなど,準1級ではおなじみの分野が出てくる。「現代数理統計学の基礎」では紹介されていない分野の内容も,本書では紹介されているので,出題範囲の網羅性を高めるためにも有益である。

特に,線形回帰・ロジスティック回帰あたりは,統計検定1級の統計数理や統計応用でお馴染みの分野であるにもかかわらず,演習問題があまり充実していなかったので,受験直前に問題に慣れることができてとても助かった

 

演習問題が充実している

「現代数理統計学の基礎」と同様に,演習問題が非常に充実している。また,サポートページには,回答やRのコードなどが紹介されているので,統計検定の学習だけでなく実際のデータ分析にも応用できる。

sites.google.com

まとめ

「データ解析のための数理統計入門」は,統計検定準1級の基礎固めになるだけでなく,統計検定1級を受験するための演習問題としてもよい書籍だったので,今後受験させる方には是非お勧めしたい。